今日のめでたい。手。

作品を作るときに、

よく働いてくれるのが、この手。

そう、自分の手です。

 

わたしの手は、

指が短くて、乾燥していて、爪に縦線が入っていて、

鉛筆の持ち方にちょっと癖があって、

決して人様から見て褒められるような手ではない。

 

ただ、そんなこの手が、

作品を作るとなると本当によく働いてくれる。

 

細かいパーツを磨くときには、

指先の数ミリできちんとパーツを押さえてくれるし、

工具の持ち方もしっかり覚えて、正しく使える。

 

作品をピカピカに磨いた後に指で触れると、

小さなキズや磨き残しを発見することも多い。

肉眼では確認できない小さなキズも、

指先の感覚で発見できてしまうのです。

 

指先の微妙な力加減や、

物に触れた時の繊細な感覚は、

人の手ならではの強み。

 

彫金の道具に、機械はたくさんある。

大変便利だし、

仕事がはかどる。

機械にしかできないこともたくさんある。

それは特に、大量生産の現場において。

 

でもわたしのように、

作品を一つ一つ製作している者にとっては、

機械よりずっと精密で正確な動きができるのは、

間違いなく自分の手。

機械では雑になってしまう箇所を、

手ならとても滑らかに仕上げることが出来る。

材料の段階から作品にずっと触れ続けることで、

微妙な歪みや違和感も発見できる。

 

大胆な動きから指先の小さな動きまで出来て、

人間の五感の一つ、触れる感覚も備わっていて、

作業の合間合間で、

自分の手に感謝せずにはいられなくなるのでした。